実際の事例では、AWSからOCIへの移行により約50%のコスト削減を実現しています。特に以下の項目で大きな削減効果が見られます。

OCIは毎月10TBのデータエグレスを無料で提供しています（AWSは100GBまで）。データ転送量が多いサービスでは、この差が月間コストに大きく影響します。

例）東京リージョンの場合

• AWS：100GB/月までは無料。それを超えると $0.114/GBから課金され、転送量が増えるにつれて段階的に単価が下がります。
• OCI：毎月10TBまでが無料。それ以降も一律 $0.025/GBと、非常に低コストです。

ロードバランサーやNATゲートウェイなどの基本インフラサービスの料金がOCIでは大幅に安価です。

• ロードバランサー: ネットワークロードバランサーは無料、アプリケーションロードバランサーも、データ処理量が1TBの場合、AWSと比べて約60%安価
• NATゲートウェイ: OCIでは無料（AWSでは月額$45以上）
• コンピュートリソース: 同等スペックでOCIの方が15-20%安価

OCIは円建て請求が可能なため、為替レートの変動によるコスト増加リスクを軽減できます。

• AWS: ドル建て請求のため、円安時にコストが増加
• OCI: 円建て請求により、為替変動の影響を受けにくい

過去2年間の為替変動を考慮すると、円建て請求による約10-15%のコスト安定化効果があります。

OCIは高性能なネットワークとコンピュートリソースを提供し、特に以下の点で優れています。

• ネットワークパフォーマンス: OCIは高速なネットワーク性能を提供し、レイテンシが低く安定しています
• 予測可能なパフォーマンス: OCIはオーバーサブスクリプションが少なく、安定したパフォーマンスを提供します
• データベースパフォーマンス: 特にOracle Databaseを使用している場合、OCIでの実行が最適化されており、最大で2倍以上のパフォーマンス向上が見られるケースもあります

OCIは運用面でも多くのメリットを提供します。

• シンプルな料金体系: OCIの料金体系はAWSと比較してシンプルで予測しやすく、予算管理が容易です
• 高可用性アーキテクチャ: 99.95%のSLAを提供し、計画的なメンテナンスによるダウンタイムを最小限に抑えます
• マルチクラウド戦略の実現: 一部のワークロードをOCIに移行することで、クラウドベンダーロックインのリスクを軽減し、マルチクラウド戦略を実現可能です

Oracle製品を利用している企業にとって、OCIは特に大きなメリットがあります。

• Oracle Databaseの最適化: OCIはOracle Databaseのために最適化されており、パフォーマンスが向上します
• ライセンスコストの削減: OCIではOracle製品のライセンスコストを削減できるケースがあります
• サポートの一元化: Oracle製品とクラウドインフラのサポートを一元化できます
• 最新機能へのアクセス: Oracle製品の最新機能にいち早くアクセスできます